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2018.10.31

消費税10%になる前に…新築はいつまでに契約すればお得なの?

資金計画

2019年10月から、今まで8%だった消費税が10%に上がるのは皆さんご存知ですよね。もちろん住宅の価格も上がります。消費税が10%になると、住宅の価格はどのくらい変わるのか、まずは住宅価格だけで比較してみましょう。

住宅の税抜き価格が2,000万円の場合
消費税 8%の場合…税込み価格2,160万円(消費税160万円)

消費税10%の場合…税込み価格2,200万円(消費税200万円)

総価格で40万円上がることが分かります。この金額で長期固定金利「フラット35」を使い、35年返済の住宅ローンを組んだ場合、どうなるか計算してみます。

2018年10月の「フラット35」の実行金利は1.41%ですから…


消費税 総返済額(千円以下切り捨て) 返済額
8% 2,737万円 月々の65,187円
10% 2,788万円 月々の66,394円

月々の返済額だけみると1,207円しか違わないように思えますが、35年間の総支払い額では、なんと51万円も違ってきます。

消費税8%で家を建てるためには?

では、いつまでに住宅ローンを申し込めば、消費税8%で済むのでしょうか。住宅所得者に対する税率の適用時期に対しては、すでに以下のように決まっています。

(1)2019年3月31日までに請負契約を締結した住宅

(2)2019年10月1日までに引き渡しを受けた住宅

(1)の場合、まだ5ヵ月もあるように思えますが、住宅ローンは住宅の請負金額に対して発生するもの。来年の3月中には、どんな家を建てるのか具体的なプランを決め、見積り金額を出し住宅メーカーと請負契約を交わしておかなくてはなりません。住宅メーカーも、最低でも坪数くらいは決まらないと見積り金額を出すのは難しいと思います。
フルオーダーの注文住宅の場合、来年2月末までにプランニングを終了するには少なくとも年内中には住宅メーカーを決めておきたいところです。さらに土地を取得していない場合には、土地から探すことになりますから、さらに時間がかかります。スケジュールを考えると、意外と余裕がないことが分かります。ちなみにワタショウでは、土地は決まっている事が前提で、完成まで8ヵ月をみていただいています。
では、(2)の2019年9月30日までに住宅を引き渡すには、いつ頃からプランニングを始めればいいのでしょうか。メーカーによって違いますが、住宅の平均的な工期は3~4ヵ月程度。来年の6月には工事を始めなければなりません。
プランニングに3~4ヵ月程度かかると考えると、やはり2~3月頃には住宅メーカー選びを終えておきたいところです。 また、消費税増税前の「駆け込み需要」で、工事に関わる職人の確保や建材や設備機器の入手に時間がかかり、9月30日までの引き渡しが難しくなることも考えられます。

一方で、この程度の負担増であれば、「すまい給付金」でカバーできる?

けっこう大きな負担増にも思えますが、実は中堅クラスの会社員の方であれば、この程度の負担増であれば、「すまい給付金」でカバーできる可能性が高い
下の図をご覧ください。すまい給付金は、消費税8%または10%で購入した人に対して、一定額を現金で給付することで負担増加分をカバーできるようにしておりますが、年収の低い人ほど消費税増税の影響が大きいので、年収別に給付額が決められておりますが、税率10%になれば、給付額が増え、対象となる年収も引き上げられます。
その結果、年収が500万円前後の中堅クラスの方の給付額が増えます。
例えば、年収520万円の場合どうなるか?確認してみましょう!
税率8%だと、すまい給付金の対象になるのは年収510万円以下なので、年収520万円の場合だと給付額はゼロですが、それが税率10%になると対象年収が引き上げられ給付額も増えるので、年収520万円の場合、給付額は40万円です。なので、最初に試算したように2000万円の住宅であれば、増税後であっても税負担増加分の40万円は、そのまま、すまい給付金でカバーできる事になります。

すまい給付金の給付額(消費税8%の場合)

収入 給付額
425万円以下 30万円
425万円超475万円以下 20万円
475万円超510万円以下 10万円

すまい給付金の給付額(消費税10%の場合)

収入 給付額
450万円以下 40万円
450万円超525万円以下 30万円
600万円超675万円以下 20万円
675万円超775万円以下 10万円

増税よりも住宅ローンの金利が上昇した時のほうがリスクが高い!

住宅の建築に欠かせないのが住宅ローンですが、一般的に住宅ローンは35年と返済が長期にわたるため、金利の変動に伴い将来の負担額が大きく変動します。先ほど2000万円の住宅を取得し、「フラット35」で住宅ローンを組んだ場合の総返済額を算出しましたが、
金利が上がった場合、総返済額がどのくらい変わるのか、計算してみましょう。

長期固定金利「フラット35」で2,000万円の住宅を建てた場合

金利1.41%の場合…総返済額2,535万円 月々の返済額60,358円
金利2.41%の場合…総返済額2,962万円 月々の返済額70,537円
金利3.99%の場合…総返済額3,427万円 月々の返済額81,618円

1.41%と3.41%では、なんと892万円も違います。長期固定金利の「フラット35」の金利が上昇すれば、当然、変動金利も上昇します。さらに、現在の政府は景気対策として国債を増発しています。それにより、市場の信用性が低下し、さらに金利が上がる可能性もありますし、当然、住宅に関わる建材や設備機器などの価格も高くなります。

2018年3月末までに住宅メーカーと請負契約を。

もちろん、消費税が増税になっても、住宅ローンの金利が上昇しても、それにともなって所得が上がれば何も問題はありませんが、現実的には難しいですよね。しかし、来年3月末までに住宅メーカーと請負契約を結べば、消費税8%で済み、金利上昇前に住宅ローンを組むことができます。家を建てる方は、ぜひ早めに動いていただきたいと思います。

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